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薬剤師が解説するジェネリック医薬品の正しい理解

2025年05月12日

医療費の負担を抑える方法の一つとして、ジェネリック医薬品が注目されています。ジェネリック医薬品は、新薬と同じ有効成分を含みながら、価格が比較的安いことが特徴です。しかし、品質や効果に対する不安を持つ人も少なくありません。本記事では、薬を扱う専門職の視点から、ジェネリック医薬品の正しい理解とメリット・デメリットについて解説します。

ジェネリック医薬品のメリットと誤解

ジェネリック医薬品の最大の利点は、新薬に比べて価格が低いことです。これは、新薬の開発には長い年月と莫大な費用がかかるのに対し、ジェネリック医薬品は既に承認された成分を用いるため、研究開発費が抑えられるからです。

その結果、医療費の削減につながり、患者の経済的な負担を軽減できます。しかし、一部では「新薬より効果が劣るのでは?」という不安の声もあります。実際には、有効成分が同じであり、効果や安全性が新薬と同等であることが確認されたものしか販売されません。

ただし、添加物や製造方法が異なる場合があり、それによってわずかな吸収の違いが生じることがあります。そのため、体質によっては合わないケースも考えられますが、多くの人にとっては問題なく使用できる医薬品です。

ジェネリック医薬品を選ぶ際のポイント

ジェネリック医薬品を選ぶ際は、医師や薬剤師に相談することが大切です。特に、慢性疾患の治療に使用する薬は長期間服用することが多いため、変更する場合は十分な確認が必要になります。また、ジェネリック医薬品には複数のメーカーがあり、同じ成分でも異なる会社から発売されていることがあります。

メーカーごとに製造方法や添加物が異なるため、過去に特定の薬で副作用が出た経験がある場合は、事前に確認することが望ましいでしょう。さらに、薬の形状や大きさが変わることもあり、高齢者や飲み込みが苦手な人にとっては、新薬の方が飲みやすい場合もあります。

そのため、単に価格の安さだけで選ぶのではなく、自分に合った薬かどうかを見極めることが重要です。

今後の医療とジェネリック医薬品の役割

医療費の増加が課題となる中で、ジェネリック医薬品の普及は大きな意味を持っています。国としても利用を推奨しており、今後さらに選択肢が広がることが期待されています。一方で、患者自身が正しい知識を持ち、自分に合った薬を選ぶことが大切です。

薬剤師は、そのサポートを行う役割を担っており、疑問があれば相談することで、より安心して薬を使用することができます。ジェネリック医薬品は、コストを抑えつつ適切な治療を続けるための有効な選択肢です。正しく理解し、適切に活用することで、健康管理の幅を広げることができるでしょう。