派遣薬剤師の全て

新人がやりがいを見出すまでの成長段階とは

2025年03月12日

薬剤師として働き始めたばかりの頃は、業務に慣れることに精一杯で、やりがいを感じる余裕がないという声も多く聞かれます。ミスを恐れて自信をなくしたり、患者との対応で戸惑ったりと、最初の数カ月は特に不安の連続です。しかし、経験を重ねていく中で少しずつ視野が広がり、自分の行動が人の役に立っていることを実感できる瞬間が増えていきます。新人薬剤師にとって、やりがいは突然感じられるものではなく、日々の積み重ねと周囲との関係構築の中で育っていくものです。この記事では、新人がやりがいを感じるまでの代表的なステップを3つ紹介します。

基礎業務の習得が自信につながる

まずは調剤や薬歴の記録といった日常業務を正確にこなすことが、最初の大きなステップとなります。最初は処方を確認するだけで時間がかかってしまいますが、経験を積むごとに効率的に作業できるようになり、先輩のサポートなしでも判断できる場面が増えていきます。

こうした「できることが増えた」という感覚が自信を生み、やりがいの土台になります。まずは確実に基本業務をこなすことが、新人としての成長の第一歩です。自分で判断できる業務が増えることで、責任感も芽生え、仕事に対する意識が少しずつ変わっていきます。

患者とのやりとりで得られる実感

服薬指導やOTCの相談など、患者と直接やりとりする機会が増えると、「ありがとう」と言われる場面も増えていきます。最初は緊張していた対話も、経験を通じてスムーズになり、患者が笑顔で帰っていく姿を見たとき、自分の対応が人の役に立っていることを実感できます。

この体験が「やっていてよかった」という気持ちを育て、仕事へのモチベーションを大きく後押しします。自分の言葉や提案で患者が安心してくれたという成功体験は、新人にとって非常に大きな自信となります。

医療チームに貢献できたという実感

先輩や他職種と連携し、自分の意見が受け入れられたとき、チームの一員として働いていることを強く実感できます。たとえば、自分の提案した注意事項が医師の判断に反映されたり、看護師から頼られる場面が出てくると、調剤の枠を超えて医療全体に関わっている手応えが生まれます。

この実感は、新人としての不安を払拭し、「もっと役に立ちたい」という前向きな気持ちにつながります。信頼関係の中で自分の役割を果たせたとき、新人薬剤師は本当のやりがいを見出していきます。

こうした経験の積み重ねが、自信と責任感を育てていく大きな原動力になるのです。