
薬剤師を目指すうえで気になることのひとつが、資格取得までにかかる費用です。大学の学費をはじめ、教材代や国家試験対策のための費用など、6年間の学びには一定の経済的な準備が必要です。学びたいという気持ちがあっても、経済的な負担が心配で進路を迷う人も少なくありません。この記事では、実際になるまでにどのような費用が発生するのか、項目ごとに分けて紹介しながら、その目安と注意点について解説します。
薬剤師を目指すには、6年制の薬学部に進学する必要があり、私立大学と国公立大学では学費に大きな差があります。私立大学の場合、6年間でおよそ1000万前後が必要になるケースが多く、入学金・授業料・施設費などが含まれます。
国公立大学では約350万〜400万ほどに収まることが一般的ですが、定員数が限られているため倍率も高めです。また、教材費や白衣・実習用具、交通費なども含めると、年間で数十万円の追加支出が見込まれます。
さらに、下宿を伴う場合には家賃・光熱費・生活費が年間100万以上かかることもあるため、全体像を見据えた資金計画が必要です。
学費以外にも、国家試験に向けた対策費用も無視できません。予備校の講座を受講する場合には数十万単位の費用がかかることもあり、模擬試験の受験や参考書、問題集といった教材費も合算すると相当な金額になることがあります。
独学で進めることも可能ですが、講座の利用で学習ペースをつかんだり、弱点を補強できるといったメリットもあるため、費用と目的を照らし合わせて判断することが大切です。また、模試や添削付きの教材など、目的に応じた追加投資が必要になる場合もあります。
高額になりがちな薬剤師への道のりですが、奨学金制度や各種支援制度を上手に活用することで、経済的負担を軽減することができます。たとえば、日本学生支援機構の奨学金や、大学・自治体が実施する給付型・貸与型制度、返還免除の制度などもあり、事前に調べておくことで選択肢を広げることが可能です。
また、薬局や病院と連携して行われる奨学金制度もあり、卒業後に一定期間勤務することを条件に支援を受けられる仕組みも存在します。費用面で不安がある場合は、学びながら返済計画を立てる意識も重要です。
相談窓口やオープンキャンパスなどを通じて、情報収集を積極的に行いましょう。